
市販のC4は 2006RJCカーオブザイヤーIMPORTを受賞するなど、欧州だけでなく、日本でも高い評価を受けているシトロエンの主力モデルです。4ドアハッチバック・サルーンと2ドアハッチバック・クーペの2種類があり、1.6リットルから2リットルのガソリンエンジンを搭載しています。ラリーカー(C4 WRC)のベースモデルはクーペのホットモデル、C4 VTSで、日本仕様の全長×全幅×全高はそれぞれ4,275×1,775×1,480mmです。それに対して「WRカー」と呼ばれる大幅な改造が認められたWRC専用車両は全幅が1,800mmに広げられております。これは2006年まで使われていたクサラWRCの1,770mmに比べても幅広であり、より高いコーナリング性能と安定性が期待されています。当然のことながら、駆動方式も市販車のFFから4WDへと変更されています。

FIAのレギュレーション内で最大限に攻めこんで作られたC4 WRCのスタイリングが、2004年にジュネーブショーで発表されたC4 WRCのコンセプトカーとほぼ同じなのはシトロエンスポールのデザインオフィスチームの努力があったからです。彼らのデザインに対するこだわりがなければ、本来のデザインコンセプトからはかけ離れたC4 WRCが誕生していたことでしょう。例えばラリーのレギュレーションでは禁止とされている、コンセプトカーの特徴であったガラスルーフは完全に取り払われ、スポイラー、バンパー等のデザインもレギュレーションと基準性能を満たすために、全く異なるタイプのパーツに変更される可能性がありました。しかしデザインチームは出来るかぎりオリジナルのスタイリングを崩さないよう、1/4サイズの模型による風洞実験を重ね、ラリー仕様のC4 WRCを開発しました。
走りの頭脳となるプログラム開発チームの役割は、デザインオフィスが開発した部品やパワートレイン、サブシステムの性能を最大限引き出すことでした。彼らがまず重視したのは信頼性とパフォーマンス。要求されているプログラムを完成させるために、幾度にも及ぶワーキングセッションがターマック用と、グラベル用に行われました。シトロエンスポールのテクニカルチームは、WRカーの絶対的スタンダードであるクサラWRCとの比較を重ねることで、C4 WRCのパフォーマンスを磨き上げてゆきました。C4 WRCはまだ開発段階にありますが、期待できる仕上がりになってきています。その真の実力は、これからラリーの実戦で証明されることでしょう。
4WDのC4 WRCには、2リッターのターボエンジンが搭載されています。ギアボックスにはクロスレシオの6速セミオートマチック・トランスミッションが採用されています。C4 WRCは、クサラWRCより長い4,200mmを超える全長を得たことでレギュレーション上、クサラWRCの1,770mmより広い1,800mmの全幅とすることが可能となりました。この変更により、コーナリング時のより高い安定性が期待できます。電子制御については2006年のクサラWRCと同様、新レギュレーションによる制限を受けています。さらに、常にコスト削減を考慮しなければならないため、C4 WRCのサブシステム、つまりエンジン、ギアボックス、フロントおよびセンター・リアのディファレンシャル、ショックアブソーバーなどには、より高い信頼性と優れた耐久性が要求されています。